基本デザインコンセプト

『TYPE C4』は、明朝体、ゴシック体の概念にとらわれない発想でデザインする汎用ゴシック系基本(フォーマル)書体を中心とした、次世代のための視認性・判読性の高いクリアなデザインのフォント、更に判読性・可読性の高めたユニバーサルデザイン思想のフォントを開発するフォントブランドです。

使用される書体は時代と共に変化しますが、『TYPE C4』はデジタル全盛時代の今日によりマッチしたフォントを提案します。

基本デザインコンセプトとして、横組が主流の現在において、より横組に適した設計思想とシンプルでクリアなデザインによって開発しております。

結果、デザイン性を全面に押し出し過ぎることなく、あらゆる場所や媒体での利用において、視認性・判読性が高く、読み手にとってより自然で優しいフォントを実現しております。

製品展開として、『TYPE C4』のスタンダードラインである『クリアデザインフォントシリーズ』と更に判読性・可読性を高めるためのデザインとした『ユニバーサルデザインフォントシリーズ』を用意しています。

明朝・ゴシックの概念にとらわれない『次世代汎用基本書体』

テキストフォントはこれまで明朝体とゴシック体のどちらかしか選択肢がなく、明朝体とゴシック体に2分化されてしまっている現状です。

そこでゴシック体、明朝体という概念にとらわれることなく、シンプルな縦線・横線の等線体を中心に、線画の太さの比率や曲線とその空間、そして横への自然な流れを最大限配慮することにより『次世代汎用基本書体』という位置づけでとして開発しております。

デジタル時代に対応した横組設計思想

これまでの書体開発は元々縦組で利用することを前提に作られた文字をベースとして正方形の枠の中にデザインすることで、横組もカバーするという発想で行われてきました。

今日あらゆる媒体および制作環境のデジタル化に伴い、日本語の文字組において横組が主流となりつつあります。また紙媒体のみならず様々なデジタル機器での文字表示においては当然横組です。

このような現状をふまえ、これまでにはない最初から横組を意識したデザインとなっております。

正方形の枠の中に一文字ずつデザインするという従来の発想から脱却し、左右の文字に配慮した欧文フォントの設計思想とベースラインを中心に横への流れを最大限考慮したデザインとしました。結果欧文との混植にもマッチするフォントとなっております。

基本となる横組み配置

基本となる横組み配置

基本タイププロポーション

基本タイププロポーション:レター ヨコ90%/タテ88%(タテ・ヨコ比率 97%の平体)

正方形の枠の中に一文字ずつデザインする活字的デザイン手法では、水平方向への整列要素がないことと字間スペースが空き過ぎたり、行間のギャップが欧文と日本語であり過ぎるという弱点があります。この弱点を補うため水平方向への影響が強い仮想のベースラインを想定し横への流れを作り、最大限検討された縦横比88:90のタイププロポーションにより縦組のバランスを崩さない奇麗な水平ラインを得、字間と行間も従来よりもタイトめに組めるようになっています。

印刷用・画面表示用の両面に適したクリアデザイン

「TYPE C4」の書体デザインの基本は、ふところは広めにし、縦線と横線の太さの比率を考慮、更に横への視線流れを妨げない水平・垂直を基本としたシンプルでクリアなデザインです。

これまでの数多くのビットマップフォントの開発経験をも活かされたデザインによって、可読性・視認性・判別性が高く、印刷はもちろん表示用としても適したデザインとなっています。

ミンニアムのデザイン:よりクリアで判読性を高めるため、一部シンプルなゴシック系の字体、エレメントを組み合わせています。

ミンニアムのデザイン:
よりクリアで判読性を高めるため、一部シンプルなゴシック系の字体、エレメントを組み合わせています。

ゴシック・ドゥのデザイン:明朝体の字体は基本ゴシック体ですが、視覚的に刺激を少なく、クリア度を高めるデザインにしています。

ゴシック・ドゥのデザイン:
明朝体の字体は基本ゴシック体ですが、視覚的に刺激を少なく、クリア度を高めるデザインにしています。

ビオゴのデザイン:ハネの方向を水平、垂直に統一により、横組に適したデザインになっています。またハネの部分は、丸みを帯びており、視覚的に刺激の少ないデザインです。

ビオゴのデザイン:
ハネの方向を水平、垂直に統一により、横組に適したデザインになっています。またハネの部分は、丸みを帯びており、視覚的に刺激の少ないデザインです。

ユニバーサルデザイン思想

これまで記述してきたように、『TYPE C4』の基本デザインは横組を意識したシンプルでクリアなデザインでありながら、美しく統制の取れた主張し過ぎないデザインで様々な場面において可読性・視認性の高いデザインとなっています。これはユニバーサルデザインの思想にもその求められる条件において多くの点で一致します。

昨今バリアフリーとは異なるユニバーサルデザインという発想が注目されていますが、「TYPE C4」は今日のデジタル全盛時代の中で横組でも自然で読み易い快適なフォントを追求した結果、ユニバーサルデザインの思想と出会い、そしてビオゴから始まった書体開発は、メイリオを経て、更なる視認性・判別性への配慮を行い、ユニバーサルデザインフォントとして 『C4 ユニバーサルライン』の開発に受け継がれております。

多くの日本語を読み書きする人々にとって、判別性・可読性・視認性が高く、シンプルで美しく、自然で読み易い快適なフォント、それがユニバーサルデザインフォントライブラリー『C4 ユニバーサルライン』です。

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